アートとともに”暮らす”空間 Node Hotel
日本の文化やアートを体験を通じて世界に発信・提供してきたTOKI が、独自のコンセプトで収集したアート作品を堪能することができるホテルをご紹介。
美術館よりも身近に感じたいなど普段の鑑賞から一歩踏み込んだ体験をしたい方はもちろん、旅に慣れ、いつもとは違う刺激を感じられるホテルを知りたいという方、これからさらにアートに詳しくなりたい方へ、洗練されたホテルをピックアップしてご紹介します。
今回はNode Hotelをご紹介。
NODE HOTELとは
2019年にオープンし、阪急京都線「烏丸」駅、地下鉄烏丸線「四条」駅から徒歩およそ6分とアクセスは良好。京都ならではの食べ物が楽しめる錦市場へは徒歩で10分ほどで行くことができます。
ホテルの内装は、シンプルでありつつもアートが存在感を放ちながら空間と調和するよう目指されています。グレーを基調とした落ち着いたトーンでまとめられた客室すべてにアート作品を取り入れています。家具や装飾品は本物の価値を追求し細部までこだわられています。非日常の贅沢よりも暮らしにアートが溶け込んだ理想の暮らしを体験できる場所として作られました。
Node Hotelは世界中のギャラリー、アートフェアでコレクションしてきたアーティストの作品を展示しています。
1Fパブリックスペースには世界的評価の高いアーティスト作品を数多く展示しています。
そのほかにも客室には「アートコレクターの住まい」をコンセプトにアート作品が展示されており、アート作品をまるで自分だけの空間で飾っているような感覚が味わえます。興味を持った作品の部屋を問い合わせれば、希望する部屋で予約もできます。
アーティスト紹介
ここではNode Hotelがロビーや客室に飾る作品のアーティストをご紹介します。
Barry McGee
””ストリートから美術館へ””を体現する伝説的なグラフィティアーティスト。グラフィティ界に様々な新しいテクニックを紹介したパイオニアの顔も持つ。ストリートから一流のアーティストとして認められ、ギャラリー契約を結ぶという大変な快挙を成し遂げた。原点であるストリート活動を続けながら作品がニューヨーク近代美術館やサンフランシスコ近代美術館などパブリックコレクションに収蔵されるなどギャラリー界などのアートシーンでも高い評価を得る。
Tomoo Gokita
具象的なモチーフと抽象的なタッチを組み合わせた唯一無二のスタイルで世界中から高い評価を受ける画家。アメリカのサブカルチャーやアンダーグラウンドから得たインスピレーションを基盤とする。代表的であり特に人気が高い作品は顔をグラデーションで抽象化した人物をモノクロームの色彩で構成した人物像。木炭やインクで描いたドローイングが海外の注目を集めるきっかけとなり、現在はモノクロームのみならず青色のみの作品、コラージュや立体作品など表現の幅を広げている。
Gerhard Richter
絵画の可能性を追求し、存命ながらすでに美術史の文脈に位置づけられた「ドイツ最高峰の画家」。20世紀後半に登場した新欧州絵画のパイオニアとして知られる。表現技法やコンセプトは非常に多彩であり、新聞や雑誌の写真をキャンバスに書き写し画面をぼかした「フォト・ペインティング」、写真の上に描画する「アブストラクト・ペインティング」など、写真と絵画の意義や境界線を探求する作品が特徴である。2012年、オークションで自身の作品が3400万ドルで落札され、生存中のアーティストのレコードで最高値となる。
Izumi Kato
独特なセンスが光る色彩を用い、観る者に自由な想像を掻き立たせるような生命のプリミティブな姿を表現するアーティスト。人間や植物、動物など種族を超えた原始的な生物をモチーフとした大胆で有機的なフォルムを特徴とする油彩画や木彫、立体作品などを制作。
Rashid Johnson
様々なメディアを効果的に用い文化的または個人のアイデンティティ、美術史、文学、哲学などのテーマを探求する現代アメリカで大きな影響力を持つ米国人アーティスト。アフリカ系アメリカ人の現代美術の新たなカテゴリーである「ポストブラックアート」の旗手として知られる。黒い石鹸とワックスで作ったジョンソンが繰り返し使う動揺した顔のモチーフは、不正や人種間の対立、経済的・政治的な不安定さといった現代の状況を表現した作品と読み取ることができる。
Robin F Williams
彼女の生き生きとした女性の代表的モチーフを使って、男女の境界線が曖昧になりつつある現代を意識しジェンダーに固執する古典的な社会の側面にアプローチする現代画家。遊び心の中に不穏さを窺わせる作風で魅力的なキャラクターと構図を生み出し、現実と空想を行き来する世界を描いている。
Takuro Kuwata
従来の陶芸の方を超え現代的な感性を取り込んだ陶芸界のエース。釉薬のちぢれを利用する海華皮(かいらぎ)など陶芸にある概念の再解釈を行い、大胆な造形とポップな色彩表現を用いながら伝統とコンテンポラリーを組み合わせたこれまで目にしたことがない表現を目指している。
Yukimasa Ida
熟練した技術と美的センスで世界中のコレクターから大きな注目を集める新進気鋭の若手アーティスト。一貫して「一期一会」を自身の創作のテーマとし、絵画を中心に二度と出会うことのない「今」を表現する。マチエールを操り個性が光る色彩と筆使いが魅力の一つである。
Shinro Ohtake
観る者を圧倒するエネルギーを原動力とし新たなスタイルに挑み続けるアーティスト。80年代初めに世界的に流行したニュー・ペインティングの流れを牽引した初期の活動から、コラージュやオブジェの制作のみならず文学や音楽といった多ジャンルにまでも幅を広げている。
Eddie Martinez
豊かな色彩、ダイナミックな筆致、完璧な直感を特徴とし遊び心やエネルギーに溢れる作品を送り出すアーティスト。アクリル、オイル、シャープペン、時に赤ちゃんのお尻拭きなどを用い、太く身振りを感じさせるタッチ、大衆的なイメージ、アサンブラージュで硬質でありながらエレガントな絵画や彫刻を制作している。アクション・ペインティングや新表現主義といった歴史的ムーブメントの要素を反映し、伝統的な絵画様式に基づきながらも実験的な試みを惜しまないスタイルで大きな評価を得ている。
Hiroshi Sugimoto
コンセプチュアル・アートの影響を受け、自身の厳密な哲学をもとに作品を制作しつつ、現代美術のみならず日本の伝統芸能や料理、建築、造園など幅広いジャンルの知見をもとに作品に昇華する多才なアーティスト。特に彼の写真作品は、海外のオークションで数千万円で落札され高く評価されている。
Kiki Smith
人間の身体や生と死、自然のかかわりを多角的な知見をもとに具象的に表現することで知られ、世界的な人気を誇る現代作家。フェミニズム芸術の流れの一部を担い、女性の社会的、文化的、政治的役割を探求する新しい方法を見出した。具象美術に魅了され、あるいはカトリックの教育を受けてきたことに関連して神話や民話に登場する女性をテーマとし、しばしば不穏な雰囲気を醸し出す作品で知られるようになった。彼女の独自のビジョン、幅広い経験や本、彫刻、版画を含む多作はフェミニズム芸術の最も重要な声のひとつとして地位を確固たるものにしている。
Nobuya Hoki
京都を拠点に独自の実験的な絵画表現を展開しているアーティスト。「二本画」と呼ばれるユニークな手法は即興で一筆で描き上げるもので、ぼやけた印象を与える二重線はよく見ると非常に繊細なタッチで描かれており、カーブを描く線のエッジはシャープで鮮明であり、彼の描き出す身体性をうかがわせる。
Kei Imazu
インターネットから収集しコンピュータ処理で再構成した画像を油彩でキャンバスに落とし込む独自の手法で仮想世界を実体化する表現が魅力のアーティスト。時に編集ソフトの操作から発生する予期しないバグさえも作品の構成要素として残される。重なり合うモチーフは場所や時間のレイヤーを飛び越えることを可能にしている。
Eikoh Hosoe
戦後日本の写真界の確立を大きく助け、最も大きな影響力を持った写真家の一人。人間のダークな心理面にフォーカスし、暗く強いコントラストでエロティックに人体を撮影した白黒写真でよく知られる。1950年代初め、それまで主流であったリアリズム・ドキュメンタリーに対する反動として、写真が個人的思考の媒体であり得るというアメリカの考え方に影響を受け、より卓越した解釈のための手段として写真の素材や技術を実験的に用いた。海外作品を日本に紹介するキュレーター、著名な写真家の指導者としての経歴も持つ。
Nobuyoshi Araki
センセーショナルな作品で「天才アラーキー」としてブームを巻き起こした日本を代表する写真家。自らの写真のあり方をエロス(生、性)とタナトス(死)を組み合わせた「エロトス」と称し独特の世界観を確立した。挑発的な女性のヌードなどエロティックなイメージを被写体とすることからしばしば大きな話題となるが、花や街の人々、街並みなどを撮影した作品や、妻・陽子を撮影した彼女へのストレートな愛情を表現する数多くの日常を切り取った作品も高く評価されている。
Jörgen Axelvall
セレクトフォーカスやソフトフォーカスの効果を利用し夢のような世界を想起させるような作品で知られる写真家。親密と孤独にまつわる彼の作品は、被写体の極端な脆さと美しさを一瞬に凝縮し個人的でありつつも普遍的なものとして呼び起こす。
Jennifer Lee
現代イギリスにおける陶芸界の重鎮。アメリカ南西部の有史以前の陶芸を研究した経歴を持ち、古代に使われた素材と技術を活かしている。絵付けを行わず釉薬も使わない作品に、制作前に金属酸化物を粘土に混ぜて化学反応を利用し着色するという独自に開発した方法を用いる。配合や配分を計算し生み出されたデザインは彼女の作品でしか見られない魅力を生み出している。ろくろを使わず手作業で成形するスタイルで、繊細かつシンプルな造形の中に自然そのものを感じさせる。
Masanori Tomita
混沌としながらも調和が保たれた色彩と厚塗りのマチエールから実際とは異なる現実を感じさせる、一貫した作品スタイルを持つ画家。 一見抽象画のような彼の作品には身近なモチーフや風景といった具体的なイメージからそれらに対する知覚のみが取り出され画面に凝縮されている。作品と対峙したとき、絵画の存在感ある物質性に対して絵画から次々とイメージが浮かび上がっては消える儚さを体感し、現実の物体の生成過程を目の当たりにするのではないだろうか。
Haruna Kawai
幾何学的な形状の立体と枝や布などの有機物を、現実にはあり得ないバランスで構成した”空想立体”を平面に落とし込む独特の世界が人気のアーティスト。質感や温度、音や風の当たり方、目には見えない物体同士にはたらく力まで感じさせる表現が特徴。
Toshiyuki Konishi
自身の幼少期やごく身近な人々を撮影したスナップ写真をもとに大胆にうねるようなタッチと鮮やかな色彩で描き出す表現が特徴的な画家。細部がそぎ落とされ属性が曖昧にぼかされた人物が描かれる一方、醸し出す雰囲気や人物同士の関係性が伝わってくるようである。
Katsuaki Shigeno
日常を描きつつも非日常を感じさせる不思議な感覚を鑑賞者に与え、ユーモアと多彩な技法、表現力で人気を博す画家。銅版画を中心に油彩や絹本など多様な方法で作品を発表している。
まとめ
Node Hotelが所有する作品のアーティストは誰もが現在のアート界に存在感を放ち輝きを更新していく方たちです。アートを深く学んだことがない方も、作品とともに時間を過ごすうちに自分にしかない”暮らし”ができ、他のアート体験とは一歩踏み込んだあなただけの思い出ができるのではないでしょうか。
Node Hotelでは世界的に活躍するアーティストが手がけた作品を自分のスペースにおいている感覚が味わえる贅沢な体験ができます。ぜひ行かれてみてはいかがでしょうか。