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日本を代表する現代陶芸家 前田正博
前田正博は、日本のアート界で高く評価されており、非公式ではありますが将来人間国宝になるだろうと評されています。現在、彼の作品は、シカゴ美術館やブルックリン美術館など、世界中の美術館のコレクションに展示されています。前田氏の最新のコレクションの一部を写真に収めながら、彼の才能を確信しました。前田氏は幼い頃から陶磁器を愛し、その後、日本で最も権威のある美術大学である東京藝術大学を卒業しました。
陶芸家となる場合、日本では、通常、学生に2つの選択肢が与えられ、いずれかを選択する必要があります。多くの人が「職人」になることを選択します。つまり、これは茶道などの特定の目的のために製作される道具や物を作ることを選択するということです。一方で、前田氏を含め、作品のデザイン性と芸術性が優先されるプロの「芸術家」になる人たちもいます。
「陶芸を学ぶには、一般的に2つの方法があります。美術学校あるいは見習いとして学ぶということです。私は芸術が大好きだったので、美術学校に通いました。ただし、アーティストと職人は一つのコインの両面として存在するものだと考えておいてください。ほんの一世代前までは、2つの進路はまったく別ものでしたが、今ではこれまで以上に重複する部分があります。」
美術学校の学生から賞を取るようなアーティストへの道は、どの国でも難しいことで有名です。 それでも前田氏は、粘土を不思議な作品に変えることで生計を立てることができるローカル陶芸家の中ではごく僅かにしかいない成功者の一人です。日本最高峰の美術学校に通った後も、前田氏は自分のスキルを磨くために挑戦的なテクニックとデザインを独学で学び続けました。
前田氏は子供の頃から陶器に魅了されており、自身の作品を進化させることに魅了された気持ちが、彼の作品作りにつながっているのです。
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「驚きがたくさんあるので、私は陶器が大好きです。同一の色と形でスタートしたとしても、焼きを入れると最初に想像したものとは完全に異なるものになり得ます。陶器はまた非常に科学的なものです。アートワークを想像したりデザインしたりするときは、陶器の材料や釉薬の化学プロセスを研究することという知的側面を理解することが非常に重要です。」
前田氏の初期のデザインは、主に自然のものに影響を受けています。たとえば、動植物のようなパターンです。それが、次第に抽象的なものになっていきました。彼の以前の作品と現在のピカソ風の作品とでは違いは明らかです。
前田氏は、独特でダイナミックなデザインスタイルでよく知られています。古典的な訓練を受けてきたので、当然のことながら、伝統的で日本的な作品を制作せざるを得ません。しかし、彼はキャリアの早い段階から、独自のスタイルを生み出していくことを決意していました。彼の作品のほとんどは、かなりの低温で数層の絵の具を繰り返し焼成する色絵技法を使用して作成されています。
「私はさまざまな形、色、テーマ、技法を体験するのが大好きです。特に、色絵技法では、日本の伝統的な陶磁器で一般的に使用されているものよりも、さまざまな色、明るい色、または西洋の色を使用することができます。」
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大小様々な前田氏の素晴らしい陶器のコレクションを目にして、私たちは彼にインスピレーションの源について尋ねました。
彼は、さまざまな題材からインスピレーションを得ており、美術や陶芸の世界の枠を超えて美的評価をしていると説明しました。休日には、お気に入りの地元の書店を頻繁に訪れます。そこで、文章、画像、アイデアが無限に見つかる世界を探索し、熟読するのが至福のときなのです。
「すべてが陶器に関連しています。私がお気に入りの本屋に行くとき、たとえばファッション雑誌を探索するのが好きです。なぜなら、それらは間接的に、私の陶器の素晴らしいインスピレーションの源だからです。私は趣味と仕事が同じものなので、仕事で疲れることは決してありません。」
前田氏は通常、スタジオに来客を受け入れることはありませんが、TOKIのゲストのために特別な工房ツアーと陶芸体験の予約を受け付けています。彼は、アート、デザイン、文化への情熱を分かち合うだけでなく、ゲストの創造性ややスキルを体験することも、ゲストを工房に迎えるのが大好きだな理由だと笑顔で説明してくれました。
「ただ楽しむ準備をしておく必要があります。 TOKIのゲストは、日本人よりも細部や欠陥を気にしないので、とても嬉しいです。」前田氏は、技術やスタイルに関する具体的なガイダンスを提供するのではなく、ただ座って、ゲストが自分の芸術作品を作成する中で自分自身の芸術的才能を発見するのを観察することが最もやりがいがあると感じています。
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前田氏の作品©TOKI
作品カタログ©TOKI
日本を代表する現代陶芸家前田正博氏に学び、磁器の絵付け体験
前田正博氏のご案内・指導の元、東京の中心地にある隠れたアトリエで磁器の絵付けを体験していただける機会をご用意しております。
真っ白な磁器をキャンバスに見立ててデザインしていく過程では、多彩な色を重ねていく彩色だけでなく、質感を加えていくことで作品に幅を持たせ、一層味わいが深まります。皆様の感性を、是非作陶で楽しみながら表現してください。
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